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医療機関等における賃金の改定状況

今年7月に、厚生労働省の平成28年度中央最低賃金審議会 目安に関する小委員会(第2回)の資料として、「平成28年賃金改定状況調査結果」が発表されました。
ここではその調査結果から、医療機関や福祉施設など(以下、医療,福祉)の賃金改定状況をみていきます。

賃金引上げ事業所割合は低下

医療,福祉の賃金改定状況をまとめると、表1のとおりです。

【表1】医療,福祉の賃⾦改定実施状況別の事業所割合(%)

28年の結果をみると、医療,福祉の1~6月に賃金引上げを実施した事業所割合(以下、賃上げ実施割合)は、57.7%となりました。
27年は62.9%ですから、5.2ポイントの減少です。

ただし、7月以降に賃金改定を実施する予定の事業所割合が15.2%あることから、今年中に賃金引上げを実施する事業所割合はさらに高まるものと思われます。

また、産業計(全産業の平均)の28年の賃上げ実施割合は43.1%ですから、医療,福祉は14.6 ポイント高くなっています。

賃金引下げを実施した事業所割合をみると、医療・福祉は0.3%で、産業計の0.6%の半分と少なくなっています。

パート労働者の賃金上昇率が高めに

次に、医療,福祉の1時間当たり賃金額と賃金上昇率をまとめると表2のとおりです。



28年6月の医療,福祉の1時間当たり賃金額は、一般労働者が1,534円で前年より12円の増加、パート労働者が1,367円で24円の増加になりました。
産業計と比較すると、一般労働者は産業計より低く、パート労働者は高いという結果になっています。賃金上昇率は一般労働者が0.8%で前年を下回り、パート労働者は1.8%で前年よりも高くなりました。

人手不足が深刻化し、職員の確保に努めるために、無理な賃上げをするケースがあるようです。
しかし、無理な賃上げは経営状態の悪化にもつながりますので、できる範囲で賃上げを実施するとともに、賃金以外の部分での満足度を高めることも、職員の定着にとっては重要です。

厚生労働省「平成28年賃金改定状況調査結果」
平成28年6月1日現在の常用労働者数が30人未満の企業に属する民営事業所で、1年以上継続して事業を営んでいる事業所から一定の方法により抽出した約4,000事業所を対象にした調査です。詳細は、次のURLのページからご確認ください。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000130317.html

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