『心の状態1』
事例で学ぶ4コマ劇場今月の接遇ワンポイント情報
ワンポイントアドバイス
話を聴くという行為は、コミュニケーションにおいて大切です。ただし聴く姿勢は、自分の“心の状態”によって大きく異なりますので、どのような状態にあるのか主観的に把握する必要があります。
このとき“心の状態”を次の4つの領域に分けて考えますが、状況による“ゆらぎ”がありますので、「その瞬間どこにいるか」を把握するよう心がけましょう。
今回の事例では、サエコさんはアイさんのわがままに特段反論することなく受け入れていました。これは上記1.に該当するといえるでしょう。この領域は、自己肯定感がないので何事にも逃げ腰になり、逃避的コミュニケーションのパターンを取ります。
また、自分には否定的でありながら他者を肯定的に捉えますので、客観的に考えればおかしいと思うような理不尽なことでも、当たり前のように受け止め、従う傾向があります。
ですから、相手の話を親身になって聴くことができる反面、相手のわがままを受け入れてしまう弱さがあります。その弱さは時として、相手の感情のはけ口になってしまい、相手を前向きに導くための聴く姿勢を保つことができません。
ここにいる自分に気づいたら、本当はどう思うのか、自分の考えを探し出し、相手に伝えてみましょう。
人の話を聴くとき、ご自身がアサーティブ(自分も相手も大切にした自己主張のあり方)であること、これは好ましいコミュニケーションを構築する上で大事なことなのです。